前記事の江崎グリコがスティールパートナーズに敵対的TOBを仕掛けられておりましたので、スティール繋がりでブルドックソースを取り上げてみました。
ざっくり事件を振り返ってみると、TOBを仕掛けたスティールに対しブルドックソースが買収防衛策を発動。スティールが同防衛策は株主平等の原則からみて差別的であり違法と訴え裁判となりました。
防衛策の内容は
すべての株主に1株あたり3個の新株予約権が無償で付与される。ただし、
①「非適格者」ではない一般株主は付与された新株予約権の対価としてブルドックの株式の交付を受ける
②スティールは「非適格者」として新株予約権の行使ができず、対価としてブルドックの株式が交付されない(その代わりにスティールから買い取る。)
つまりブルドック側が一方的にスティール議決権を希釈する、というかなり差別的な防衛策に見えます。が、ブルドック側が勝訴。
確かにこんな買収防衛策が日本の最高裁判所からのお墨付きを得られるようでは海外勢は日本の株を買う意欲が失せますよね。当時はスティールや村上ファンドはハゲタカと呼ばれ、利益追求=悪という世論が形成されていたように思います。
本件、学生時代同ケースに学ぶ機会がありましたが全く理解できず、かつ興味がなかったと記憶しています。今なら興味深く読めるかも?
配当政策(総還元性向80%以上)
17.5円の安定配当だったのがいきなり倍の30円に。今後も30円継続、総還元性向80%以上とのことですが80%オーバーはあまり健全とは思えません。
株式分割もおこない買いやすい価格に。個人投資家を増やして一部鞍替えを狙っているのでしょうか。
主要株主(取引先等)
持株会が上位株主なのはいいですね。増配が社員のモチベーションUPや持ち株会員の増加につながるかもしれません。
業績(1.3%増収、12.4%減益)
国内市場がメインの成熟産業のため、売上は横ばい。ソース業界全体としても少しづつ販売量が減っている状況です。
*2020.3月期時価総額は2019.12月株価にて計算
加工食品だとこれくらいの利益率でしょうか。他業種と比較して高いとはいえません。ここ2年利益が落ち込んでいますが、増配する程の余裕はあるのでしょうか?
単一セグメント。
具体的な営業施策はIRからは感じられませんでした。
ソースのシェアは25%で国内1位。
私は関東人なのでソースといえばブルドックソースでしたが、関西では違うようです。ソースのシェアは1位で25%。関西の会社を買収しているなど国内シェアは伸ばせる余地がありそうです。
海外拠点は中国のみ。
指標
財務は強固です。持ち合い株が多いですね。
ポジトーク(ノーポジ・Dランク)
優待は100株で1,000円分の自社商品。3,000円以上の優待は株式分割の影響で次回より800株以上からとなっております。
(同社株主通信より)
財務は堅いですが成長性が期待できずDランクとします。配当性向が既に80%付近のため連続増配は期待できません。
ランク付けした監視リストは以下リンクから。