Aランクにランク付けし、主力株となったニチアスの過去IRや有価証券報告書を読んでみました。まだ読むべきポイントがわかりませんが、投資している会社の理解を深めていきたいと思います。
仕上がりまで長くなりそうなのと、本業が忙しくなったのとでとりあえず仮UP、追記していく形にしようと思います。(2019.9.13更新分で一旦終了)
過去記事はこちら。
財務体質
まずはお金の流れを確認。財務体質が悪ければ連続増配どころか配当そのものなくなる可能性があるので最重要チェックポイントになりそうです。
過去6年をみたところ営業CF、フリーCF共に黒字で、現金同等物も右肩上がりとよい傾向です。
IRをみても有利子負債の削減と自己資本の増強に努めていることがわかります。
十分な自己資本、現金、営業CFと財務体質は問題ないように思います。
引用:【2019.3月期決算説明資料】https://pdf.irpocket.com/C5393/FMlK/n2JE/GScU.pdf
事業・業績
改めて会社の内容を確認。
セグメントは以下5つ。来季は減収予想。四季報から保守的とのコメントもあります。
グラフにすると利益で大きいのは工業製品、次いでプラント向けとわかりますね。
2030.3月期の減収減益会社予想の大きな要因は、利益率の高い半導体装置向け高機能製品の見通しです。
1Q時点で、高機能製品は売上31.4%減。利益率の高い工業製品セグメントも半導体向けのふっ素樹脂材が低調です。
【ポジティブな要素】
これからも市場の伸びを(個人的に)見込こんでいる環境関連の事業をおこなっております。ベトナム工場への投資もおこなっています。
【ネガティブな要素】
半導体関連の見通し。会社予想は下期から回復するとのことですが、半導体市況、どうでしょうか。設備投資も半導体の国内工場に積極的に投下してます。
建材セグメント。ビル向けの需要好調という市況の中、営業利益率2.8%。過去赤字が続いていた時期もあります。売上も大きくなく、見切りをつける可能性はあるのか?
ポジトーク(買い増し)
半導体市況に影響されて業績の見通しは少々怪しいですが、財務体質もしっかりしており、配当の継続も見込めるため高配当再投資の主力銘柄としてキープしていきたいと思っています。
現在のポジション300株所有、予定配当は21,600円です。
先日まで株価1650円と配当利回り4.36%まで上昇しておりました。買い場でしたね。
特記事項(不祥事で赤字無配転落、アスベスト訴訟リスク、IFRS移行)
【不祥事】
2008年3月期は赤字を出し、無配に転落していました。
売上は1,696億、営業利益は147億でしたが純利益は-118億です。
リーマンショックの影響で半導体部門が大きく落ち込みましたが、赤字の原因は建材耐火性能の水増し不祥事による、保証損失引当金300億のようです。大不況時も営業利益黒字キープしていたことを良しよみてよいでしょうかね。
不祥事についてですが発覚で膿を出し切っていればいいのですが、後から次から次へと発覚する企業もあるのでなんとも言えないですね。日本製造業者はどこもそのようなリスクを抱えてるような気がします。
【アスベスト】
日本アスベストが旧社名の通り、同社アスベスト起因による健康被害がでており毎年保証金を支払っています。石綿特別拠出金に毎年450百万程度。
また訴訟も続いているようで訴訟損失引当金が2019.3月期は165百万発生しています。あまり大きなリスクには思えないのですが、動きがあるかどうかは確認しておいた方がよさそうです。
【IFRS移行】
よく聞くIFRS採用のメリットはのれん代の償却が不要となり、合併や買収の際利益を多く示すことができるようになることについてです。長期的な目線でみたら果たして必要なことなのか・・・と疑問に思いますがどうなのでしょうか。